「ワク賃013」は24,000㎡もの広大な敷地内に設けられた公園や集会所で、オーナーと入居者家族が一緒にイベントを企画し楽しんでいるワクワク賃貸物件です。
この「ワク賃013」で「流しそうめん大会」を開催すると聞き、取材させていただいてきました。
こちらの「流しそうめん大会」は、入居者さんたちがオーナー家族や大工さんの力を借りて、竹の道具をつくるところから始めるという念の入った企画です。
さっそくレポートしてまいりましょう。
2018年8月25日(土)。朝9:40ごろの会場(公園)です。
集合時間は午前10:00ですが、オーナー家族が早朝から準備を始めておられます。
集まり始めた入居者家族も、来た順にその準備に加わっていかれました。
出番を待つ道具たち。
竹はオーナーが所有する竹林から手ごろなものを事前に伐採してきてあります。
2枚目のドラム缶のようなものは「ロケットストーブ」といって、少ない燃料(薪など)で高温にすることができ、煙もほとんど出ないという優れもの。
以前、「ワク賃013」で開催したワークショップで、みんなで作ったものだそうです。
早くから来た子どもたちは、案内を描いてくれました。
なかなか上手です。
「流しそうめん大会」の開始を待ちながら遊ぶ子どもたち。
早く始まらないかなあ。。。
さあ、開始時間になりました。
はじめに本日のサポート役をしてくださる大工さんが進行と、道具のつくり方について簡単に説明してくれます。
役割分担も決めるのかと思っていたのですが、それはない様子。
大丈夫なんでしょうか?
最初はそうめんを流す竹を所定の場所に配置します。
この竹を真っ二つに割ります。
お父さんやお子さんたちが順番に作業をして、きれいにふたつに割れました。
皆さん、早くも汗びっしょりです。
別グループでは、大工さんが事前に組み立ててくれていた中継台を地面に固定する作業をしています。
すべり台のほうに目をやると、ロケットストーブでそうめんをゆでる準備をしていました。
薪をくべる方、その薪を割る方の作業が進んでいます。
僕が面白いなあと思ったのは、誰に何を言われたわけでもないのに、自然に役割が定まっていくことです。とても大人な感じ。素敵なチームワークです。
流しそうめんの道具づくり班のほうへ目を戻すと、今度は竹の節をノミで削り取る作業を始めていました。
節があったらそうめんが流れないですものね。
節を削り取ったあとは、やすりでさらさらに仕上げていきます。
これは専らお子さんたちの仕事。
みんな夢中でやすりがけをしています。
やすりがけがある程度進んできたのを見計らって、組み立て作業も同時進行で始まりました。
少しずつ完成形が見えてきましたよ。
煮炊き班ではそうめんを茹で始めました。
ロケットストーブも大活躍です。
オーナーさんは釜を使ってピザを焼いたり、1週間も前から塩漬けにして仕込んでおいた豚バラ肉を燻製してベーコンを作ったりされています。
おかずまで用意してくださるなんて、至れり尽くせりですね。
流しそうめん台製作班は出来上がった道具の流水試験を行いました。
勢いよく水が流れて来て、皆さんとても嬉しそうです。
あとはそうめんがゆであがるのを待つばかり。
ところで、肝心のそうめんはどんな器に入れるのだろう?と思っていたら、上手をいかれました。
もうひとつ別動班があって、こちらでは竹を使って、そうめんを食べる器を作っていたのです。
節の部分を底にして使うのだそう。何と賢い!
さあ、いよいよ、そうめんがゆであがりました!
鍋からざるに移して、流しそうめん台へと向かっていきます。
はい、流しますよ? 準備はいいですか?
ジョロジョロ、ジョロジョロ、ジョロジョロ。
皆さんでつくった道具をそうめんが流れてきた瞬間です。
さあ、みんなで食べましょう。
はじめは上手にすくえず、目の前を流れ去っていくそうめんを悔しそうに見ている場面も多く見かけましたが、すぐにうまくなっていきました。
はしですくいづらそうにしている小さなお子さんにはフォークが手渡されるなど、随所に工夫もみられます。
そして労働のあとの食事もまた格別。いやあ、ホント、皆さん楽しそうです!
途中からオーナーさんがつくってくれたベーコンやピザも登場。
公園の食卓がいっそう賑やかになりました。
食事が終わったところで、今度はちょっとしたサプライズ。
実はこの日、偶然ですがオーナーさんが誕生日だったので、子どもたちからプレゼントが手渡されたのです。
意外な展開にオーナーさんも大喜び。ずっと忘れられない誕生日になったと思います(^.^)
さて、「流しそうめん大会」の実況中継(?)に集中してしまった感がありますが、合間、合間にお伺いした入居者さんたちへのインタビューもしていました。
最後に皆さんのお声をダイジェストでお伝えし、終わりにしようと思います。
Aさん(女性)
入居前にこういうイベントがあるとは知らなかったです。
入ってみてビックリ。ラッキー♪という感じでした。
友だちにうちのマンションの話をすると、みんなとても珍しがります。私もこれまで住んだところと比較したら、すごく珍しいと思います。
これが標準になってしまったら、ほかで暮らせないかも。。。
Bさん(女性)
入居当時、イベントで先輩入居者さんたちに子どもの幼稚園のことや安いスーパーの情報などを教えていただけました。
知らない街に来てちょっと不安だったので、すごく心強かったです。
Cさん(男性)
母親同士は子どものことを通じてすぐに親しくなれますが、仕事で外に出掛ける父親はそうもいきません。
でもここには、こういうイベントがあるから、父親同士も仲良くなれて嬉しいです。
休日、駅前の居酒屋に一緒に飲みに行ったりしますよ。
酔っても歩いて帰ってこられるから楽チンです。
Dさん(男性)
こういうイベントは「食中毒になったらどうしよう?」「怪我をさせたらどうしよう?」などと心配し始めたらできません。
オーナーさんはそういうことを怖がらないで企画してくれるから嬉しいです。
私は「リスクは自身で負う」という考えで参加してます。
皆さんもきっと同じだと思いますよ。
Eさん(女性)
私はオートロックなどセキュリティー機能が優れているマンションから引っ越してきました。
このマンションはオートロックがないけれど、人のつながりがあるから、セキュリティーレベルはすごく高いと思います。
(注:筆者は取材中、子どもたちから「ここには住んでいないおじさん」と呼ばれてました。誰が居住者で誰がそうでないか、子どもたちは見分けているようです)
Fさん(男性)
地方から転勤で引っ越してきて、ちょっと心細かったのだけれど、イベントのおかげで、ご近所に親しい方たちがいっぺんにできて、本当に嬉しいです。
Gさん(女性)
「ロケットストーブは非常時にも使えるようにと考えています」とオーナーさんが言ってくださっていますが、イベントでロケットストーブが実際に使われているのを見ると、いざというとき安心だなあと思います。
Hさん(男性)
いろんなイベントに参加させてもらってますが、私も子どもも「食べる系」の企画がやっぱり好きです。
中でも子どもたちは「流しそうめんが好き」だと言います。
道具を自分でつくるところから始めるのがきっと面白いのでしょうね。
Iさん(男性)
外でバーベキューなどして遊ぶことが好きですが、ここはいいですよ。車で遠くまで出掛けていかなくてもすみますから。
こんな賃貸マンション、なかなかないと思いますが、どうなんですか?
取材・執筆:久保田大介
撮影:みのもけいこ