《 ワクワク賃貸研究所 》Vol.009

「熱帯魚を飼育しやすい賃貸住宅」企画会議の報告

投稿日:2018年9月27日 更新日:

「ワクワク賃貸®妄想中」で取り上げられた
「熱帯魚を飼育しやすい賃貸住宅」の企画会議を行いました。

森下所長
さて、今日のテーマは「熱帯魚を飼育しやすい賃貸住宅」ということだけども。

きなこ助手
以前とりあげたUSAGITOに似てますわね! じゃあ、だいたい同じような感じでまとめてしまえばOKなのでは?

森下所長
いやいや、哺乳類と魚類じゃぜんぜん違うよ! 実は、妄想中の記事に書かれている通り、ガレッジハウス1号のオーナーさん(※熱帯魚飼育経験者)、入居者夫妻(※ガレッジハウス1号にたくさんの水槽を並べペットを飼育中。ペットショップの店長さんでもある)と一緒に企画会議をしてきたから、その時に出たアイデアなんかを検証していこうと思う。

きなこ助手
なんてこと!
きなこをハブって夜な夜な楽しげな飲み会を開くだなんて!

森下所長
飲み会じゃなくて企画会議さ!

きなこ助手
本当かしら・・・(ジロジロ)

森下所長
さ、さて、さっそく検討してみよう!

 

どんなタイプの物件が適しているのか?

きなこ助手
熱帯魚というと水槽を設置するわけですわよね。重量に耐えられるのならマンションやアパートでも問題なさそうですわね!

森下所長
いや、それが、大型の水槽をたくさん設置して水を入れるとトン単位の重さになってしまうそうなんだ。

きなこ助手
トン単位ですって!?
1トンでもきなこが500人分ぐらいですわね!

森下所長
(それはかしましそうだな・・・)

森下所長
そう考えると凄まじい重さだね・・・。
結局、今のガレッジハウス1号のように1階部分が土間になっていて、2階に居住用スペースが付いている、テラスハウスや戸建てのような形式で、新築で作ったほうが良い、という結論になったよ。
空の状態の水槽であっても、大型のものだと運び込むのも大変だから、マンションやアパートだと2階以上の部屋に運ぶのが難しいんだ。

きなこ助手
確かに、マンションだと大きなエレベーターを付けないと難しいし、コストが一気にかさんでしまいますわね・・・。
でも、1階はお部屋じゃなくて土間じゃないといけませんの?

森下所長
床材を貼ってしまうとトン単位の重量ですぐに傷んでしまうからね。それと実は、水槽をまめに清掃する必要があって、そのとき水がこぼれたりするんだ。

きなこ助手
なるほど、土間だったら水がこぼれても気にしなくていいですわね!

森下所長
企画会議ではこの点をもっと強化して、土間部分に排水用の溝を掘って、道路の端にある排水口みたいにするとベスト、という意見が出ていたね。
もうひとつ、水槽を洗うために大きなシンクと水道もつけたほうが良いようだ。シンクは、洗面台のようなタイプより、コンロのないキッチンみたいなものが最適だ。

きなこ助手
おおう、新築ならではの工夫ですわね! それなら水槽が丸洗いできますわ!

森下所長
あと、水道の蛇口からはお湯が出来るようにしておくと更に良いそうだよ。水温調節のためにお湯を使えると便利ということだね。

きなこ助手
実際に飼っている方ならではの視点ですわね!
そこまでやろうとすると、やはり既存の物件を改修するよりは新築の方が良いのかしら?

森下所長
そうだね、実際にガレッジハウスも1階は土間になっているけど、さすがに排水用の溝まではつけられないし、入居者さんは水道も室内から引っ張って利用しているそうだ。
ガレッジハウス1号みたいに店舗付き住宅を改装したり、普通の戸建て住宅をダイナミックに改装したりするという手もあるけど、そうすると他の人と交流みたいなことができないからなぁ。賃貸向けのテラスハウスを改修するというのも理論上はあり得るけど、全部屋いっぺんに改修しないと中途半端になってしまうから、現実的には難しいと思う。

きなこ助手
空いている部屋から順次・・・とやっていると、何年かかるか分かりませんものね。

 

どんな人をターゲットにするか?

きなこ助手
そういえば、お魚好きの方にも水槽が一つぐらいのライトな方から、大型水槽をたくさん持っているようなヘビーな方がいるでしょうけど、どちらをターゲットにするんですの?

森下所長
これはもう、ヘビーユーザー向けに作っちゃったほうが良さそうだね。
最初は小さな水槽から始めた人も徐々にステップアップしていくことが多いみたいなんだけど、更に増やしたいけどマンションではこれ以上無理・・・という人にピッタリな物件にするととても人気が出そうだ。

きなこ助手
確かにそうですわね!
ヘビーユーザーというと、一人暮らし向けということですの?

森下所長
一人暮らしから二人暮らしぐらいがメインになりそうかな。そうすると、ガレッジハウス1号みたいに土間のフリースペース+1LDKや2DKのような間取りになりそうだね。
さすがにファミリーの入居者さんだと、家族全員がお魚大好き!じゃないと難しいと思うし・・・。

きなこ助手
入居している人同士で交流できると楽しそうですわね!

森下所長
そうそう、横でつながっている物件だと交流もしやすいかもしれない、というのもテラスハウス形式を考えた理由のひとつなんだ。

きなこ助手
オーナーさんの「共用部に自分の水槽を置いて入居者さんに頼んで世話してもらって、そこで熱帯魚を眺めながらゆっくりしたいなあ」という件も余裕で実現できますわね!

森下所長
・・・・・・(顔を伏せる)。

きなこ助手
あ、あれ・・・どうしましたの?

森下所長
実は・・・お世話の頻度とかのことを考えるとちょっと現実的ではないかな、という話でね。

きなこ助手
い・・・一番の目的が!

森下所長
いや、一番ではないんだ。
いろいろお話を聞いていると水槽のお掃除もそうだけど、室温や水温、湿度の管理のためには装置も整えなければいけないし、お世話をするのはイメージよりもずーっと大変なんだなと思ったよ。

 

どんな設備を揃えれば快適に熱帯魚を飼育できるか?

きなこ助手
そういえば、設備は何をつければいいんですの?

森下所長
そもそも、今回の企画を実現するために必要な要素として真っ先に上がっていたのが、
①水槽の重さに耐えられる床
②掃除のための排水経路
③湿気をコントロールするための設備
の3つだったんだ。テラスハウスにすることによって①と②はクリアできるというのはここまでの説明の通りだね。

きなこ助手
じゃあ最後に立ちふさがった難関である③をクリアすればオールクリアですわね!

森下所長
えーと、そんなに難しい注文じゃないんだけども・・・。これは単純に、フリースペース部分に換気扇とエアコンを取り付ければOKだ。
そしてそれ以外に細かい部分として次の項目が挙げられていたよ。

  • 電気を使う装置がいっぱい必要なのでコンセントはたくさん欲しい
  • コンセントは低い位置にあると水がかかって危ないので、高めの位置につけて欲しい
  • 照明器具はライティングレールのようなタイプがあればOKで、調光機能があると便利
  • いろいろなものの出し入れをするために駐車場があった方が便利かも


きなこ助手
ちょっとちょっとちょっと!
最後に立ちふさがった難関は簡単にクリアしたのにそれ以外の注文が多すぎましてよ!

森下所長
まあまあ、どれもクリアするのはそんなに難しくないものばかりだし。
ただ、駐車場の確保については、都心だと土地の広さと値段との兼ね合いでちょっと難しいかもしれないね。
そしてもうひとつ、ガレッジハウスオーナーさんの発案で、この企画の目玉にもなりそうなのが挙げられた。

きなこ助手
まあ、何かしら

森下所長
うん、それは「太陽光発電パネル」なんだ!

きなこ助手
・・・? うーん、お魚と、太陽光・・?
ああ! 太陽光の力でコンガリと焼いて大根おろしを添えて・・・

森下所長
食べないよ!
そうじゃなくって、屋根に太陽光パネルを設置したら電気代の節約ができるし、非常用に蓄電しておくことができると言うんだよ。

きなこ助手
電気代節約はお魚に限らず嬉しいと思いますけど・・・非常用の蓄電も必要ですの?

森下所長
うん、魚たちの環境を整えるためには大量の電力が必要になるんだ。たとえば水温の管理のための装置や、水槽の水を絶えず濾過するためのフィルター装置、それに換気扇やエアコンもほとんどつけっぱなしにしないといけないんだ。

きなこ助手
ヒイィ!
電気料金の明細を見るのが怖いですわ!

森下所長
普段から太陽光発電でその一部を賄えるようにしておけば、電気代も節約できるはずだ。
そして、万が一何らかの理由で停電が起きてしまうと、上記の装置も一斉に止まってしまうから、最悪の場合は魚たちが全滅してしまう。

きなこ助手
恐ろしいですわね・・・

森下所長
そこで、太陽光発電した電力を蓄電しておいて、非常用電源として利用できるようにしておけば、停電になって復旧までの間、魚たちの環境を保つことができる

きなこ助手
ふむふむ・・・太陽光パネルの設置は一般の住宅でもよく見かけるぐらいですし、そんなに難しいことでもなさどうですわね。
・・・あれ? ここまでのお話を振り返ると、この企画の実現は意外に簡単なのでは?

森下所長
そうだね、今回の実現度は100%だね。

きなこ助手
きなこの出番である結果発表を流れでアッサリやらないでほしいですわ!

森下所長
もともと、ガレッジハウス1号ではほぼ実現している状態だからね。
逆に、設備自体はそこまで複雑なことが求められないのに、これまでの賃貸市場ではまったく注目されていなかったっていうのは、盲点みたいで面白いね。

きなこ助手
先日紹介されていたワンちゃんが多頭数飼育できるコミュニティ型アパートメントもそうですし、動物が主役の賃貸住宅がどんどん増えていきますわね。
お魚の次は爬虫類なんかもいいかもしれませんわね! きなこは苦手ですけど好きな方にはハマるのでは!

森下所長
ああ、それなら今回ご協力いただいたご入居者さんのお家には爬虫類もいっぱいいるんだって。蛇も20匹ぐらいいるっていう話で・・・

きなこ助手
ぎえあぁぁぁぁぁぁぁ!!

森下所長
叫びながら全速力で逃げていった!

 

 

執筆:森下智樹
企画・監修:久保田大介

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森下 智樹

永幸不動産株式会社・代表取締役 賃貸管理・仲介と売買仲介をメインに、一都三県を股に掛けて活動する不動産会社の代表。 会社は免許番号(10)とそれなりに古いが、既成概念にとらわれずになんでもやってみる姿勢を大切にしている。 その仕事は月極駐車場の草むしり&除草剤散布から都心の土地売買まで多岐にわたる。 2018年より宅地建物取引士資格制度における登録実務講習講師としてデビュー。

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