新型コロナウイルス禍に見舞われ、ライフスタイルや働き方をはじめ、これまで常識と思っていた多くのことが激変した2020年は、住まいについての考え方も大きく変わりました。
都心部に住んでおられた方が郊外の広い家に移っていかれ、STAY HOMEを余儀なくされたことから、家でいかに快適に暮らせるかということも重要視されてきたように思います。
今回は、「ワクワク賃貸®」で今年1年間(※2019年12月1日~2020年11月30日)、ページビュー(PV)数の多かった記事のトップ10をご紹介いたします。
こちらをお読みいただくと賃貸住宅の様相がかなり変わったことを感じ取っていただけるかと思います。
それではさっそく発表してまいりましょう。
第10位は、『アルプスの少女ハイジ』でハイジが暮らすアルプスの山小屋と、冬に過ごした村の家が再現された家の紹介記事です。
PV数が多かったのは、もちろん日本でのハイジ人気が根強い故だと思いますが、春から秋にかけては山小屋で、厳しい冬は村で過ごすライフスタイルは二拠点生活(デュアルライフ)の象徴のようでもありますね。
今年は海外へ旅行することもままならなかったので、こうした記事で旅に思いを馳せられる方も多かったのではないでしょうか?
個人的には山小屋の屋根裏部屋が私のワクワクのツボです。隠れ家的な雰囲気のなか、星空を眺めながら眠れる干し草のベッドが再現されている部屋の写真にうっとりしました。
第9位は、トレーニングマシーン・TRXを賃貸住宅に設置できるかを検証した記事です。
「ワクワク賃貸研究所」は休載してもうすぐ2年になりますが、いまだに根強い人気をいただいていて、中でもこの記事と、寝湯の記事(「賃貸住宅の浴室を「寝湯」にリノベーションするための研究」)は常にPV数が多い人気記事となっています。
TRXの記事は、トレーニングジムに通うこともためわれてしまった中、自宅で体を動かす方法を探しておられた方に注目いただけたのかと思います。
第8位は、住まい手がDIYできる賃貸住宅を増やす活動を展開している「DIY賃貸推進プロジェクト」の中から、貸製造業の許可を得られるDIYの実例をレポートした記事がランクインしました。
2020年はテレワークが一気に普及しましたが、賃貸住宅で菓子製造業の許可を取ったというのはかなり異例のようで多くの方に読まれました。
「ワクワク賃貸®」ではご紹介した物件への「空き待ち」登録も常時受け付けていますが、読者の方から「私も菓子製造業を自宅で行いたいので、それを許可していただける物件があったらお知らせいただきたい」というご連絡もいただきました。
アクションを取るまでには至らないものの、同じような思いを抱いた方もきっと多いと思います。同様の声が集まれば、ご要望にお応えいただける物件が増えていく可能性も高まりますので、是非登録をご検討ください。
第7位も「DIY賃貸推進プロジェクト」から。築古リノベで有名な大家さん(鈴木柄美さん=通称「カティ」さん)にDIYでリフォームやリノベーションをするコツを教わるという記事でした。
カティさんがご夫婦でリノベーションをした「トウフハウス」を拝見し、DIYで使う素材の選び方・探し方からDIY哲学に至るまで、ノウハウを開示していただきました。
新型コロナウイルス禍のなか、家にいる時間が長くなるにつれ、住まいをより快適に、居心地のよい空間にしたいという希望が募り、DIYへの熱が高まったことも今年の特徴のひとつ。カティさんに刺激を受け、素敵なDIYをされた方もきっと多かったと思います。
第6位は、自宅の地下室に旅客列車の実物大模型を作ってしまったカナダ人男性(ジェイソンさん)の物語が昨年度に続いてランクインしました。
少年の頃に抱いた夢を大人になって実現したジェイソンさんも素敵ですが、それを見守る奥様の「私はrail nut (鉄道オタク)と結婚したの。夫は美術史の修士課程を中退して、鉄道模型を製造する会社を始めたほど。辛抱強い妻だってよく言われるけど、彼を見ていて学んだわ。幸せは他人の価値観では測れないということを。このプロジェクトはジェイソンに計り知れないほどの喜びを与えている。子どもたちの想像力も掻き立てている。どんな家でも目に見えているものの下で、何か素晴らしいことが起きていると思わせてくれるの」という言葉が個人的にはとても印象に残っている記事です。
第5位は、地下に音楽スタジオがある賃貸マンションの記事が、こちらも2年連続でランクインしました。
プロ・ミュージシャンのオーナーさんが、ご自身も使うことを想定してつくられたレコーディングルーム、ドラムも常設されているリハーサルスタジオなどがあり、入居者さんは24時間利用できます(レコーディングルーム以外は無償!)。
お部屋はルームシェアも認められているので、バンド仲間と一緒に暮らしたら、毎日がバンド合宿みたいな生活を送れます。
こちらの物件は「空き待ち」登録数もNo.1。年に数室空きが出ていて、その都度お知らせメールを配信しています。内見したら絶対に入居しなければいけない、というわけではないので、興味のある方は是非ご登録ください。
第4位は、ゴルフシミュレーター、パターコーナー、バンカー練習場など、ゴルフの練習を思う存分できる賃貸マンションです。
茨城県古河市にある物件ですが、新型コロナウイルス禍のなか、「空き待ち」登録くださっていた方のなかで、実際にこちらの物件を契約された方もいらっしゃいました。
都内の家は残したまま、デュアルライフを楽しみたいということでしたが、ひょっとすると今はこの物件が主たる住居で、都内の家がセカンドになっておられるかもしれません。
コロナが落ち着いても、テレワーク主体というワークスタイルは決してなくなることはないと思われ、こんな楽しい家で仕事も趣味も満喫しながら暮らせたら、人生はきっと素晴らしいものになるはず!
いよいよトップ3の発表です。
おかげさまで「ワクワク賃貸®」のページビュー(PV数)も順調に伸びてきて、トップの記事は昨年度より9倍も多い結果となりました。
いつもご愛読くださっている皆様には深く感謝しております。
それでは第3位から。
2020年人気記事ランキングの第3位は、イングランドのテレビ番組の企画でレゴブロックを使って実際に暮らせる家を建てた話が2年連続でランクインしました。
昨年は第6位でしたが、配信後もずっと読まれ続け、今年はトップ3入り!
2018年に「レゴランド・ジャパン」がオープンしていますが、日本人にはレゴブロックファンが本当に多いようですね。こまやかで楽しい作業が日本人の気質にマッチしているのでしょうか。
私の5歳になる甥っ子もレゴブロックの大ファンで、いつかこの記事を読んでワクワクしてくれるかな、なんてこともひそかに夢見たりしています(笑)。
第2位は「DIY賃貸推進プロジェクト」の記事が3つめのランクイン。このコーナーは今最も人気があり、いずれは「ワクワク賃貸®」ごと乗っ取られてしまうのでは?などと危惧しています(笑)。
DIYで自分の思い通りの住まいをつくる夢は多くの方が見るものだと思いますが、「賃貸住宅では無理」という思い込みが徐々に剥がされていっているように感じます。
「DIY賃貸推進プロジェクト」の中でこの記事が最上位だったのは、まさにその現れ。熱意と誠意と工夫を持ってオーナーや管理会社と交渉すれば、道は開かれる可能性が高いことを知っていただける機会になっていると思います。
家にいる時間が長くなる時代は尚更、居心地の良い空間にしていきたいものですよね。
「ワクワク賃貸®」は来年もそんな思いを応援してまいります。
2020年度、最も多くの方に読んでいただけたのは、「タイニーハウス・フェスティバル2019」の報告レポートでした。ここでは13棟(台)のユニークなタイニーハウスを詳しく紹介しました。
2019年11月の配信当初もPV数は多かったですが、新型コロナウイルス感染拡大の中、PV数は一気に伸びてゆきました。
住む場所を固定せず、自由に移動できる住まいが時代のひとつのニーズだということでしょうか。
タイニーハウスの商売版とも言えるキッチンカーも今年は大活躍しました。「お客様を待っていてもダメならば、こちらからお客様のもとへ出向いていこう!」ということでキッチンカーの営業を始めた方も非常に多かったそうです。どんなに苦しい時代でも、明るく前向きに頑張る人たちがたくさんいると思うと、自分も元気になれます。
新型コロナウイルスに負けず、時代の変化に柔軟に対応しながら、頑張っていきたいですね。
2020年の人気記事トップ10はいかがだったでしょうか?
「ワクワク賃貸®」は2018年1月から配信開始して3年経ちました。
ワクワク楽しいコンセプトを持った賃貸住宅をつくろうとされるオーナーさんも少しずつ増えてきて、「ワクワク賃貸物件集」もバラエティ豊かなものになってきました。
この頃ではオーナーからの自薦もいただけるようになり、楽しく取材に飛び回っております。
また、お問合せページから「こんな賃貸住宅に住みたい」というリクエストも増えてきました。
来年はワクワク賃貸物件をつくりたいというオーナーや、暮らしたい入居者予備軍の皆様との交流を深めていけたらいいなと思っています。
1年間のご愛読をありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
文:久保田大介