「類は友を呼ぶ」ということわざがあるが、賃貸業界ではオーナーの属性や趣味趣向に合った入居者さんが自然に集まってくることがよくある。
僕が管理させていただいている物件でも、たとえば外資系企業で働くバリバリのキャリアウーマンであるオーナーが建てられた新築マンションが、同じようなバリバリのキャリアウーマンやアメリカ人だけで満室になってしまったことがある。
外国籍のオーナー様に買っていただいた賃貸マンションでも、その後なぜか外国人の方ばかりが入居してこられるようになったという経験がある。
本ウェブマガジンには「入居者インタビュー」というコーナーがあるが(不定期配信)、多目的スペース付戸建賃貸にお住まいいただいている物件に水槽をたくさん並べてカメやカエル、ヘビなどを100匹以上も飼っている方をご紹介したことがある(入居者インタビュー「ワク賃002」)。
その記事では触れなかったが、実はこの物件のオーナーは大の熱帯魚飼育好きで、入居審査のご相談をしたとき、今度の入居者さんがどんな暮らし方をしたいと言われているか説明したら、非常に喜ばれた。
それだけでなく、入居されたあとは会いに行かれ、すっかり意気投合してしまわれた。
多目的スペースは、文字通り、さまざまな目的で使っていただけるのだが、水槽をたくさん並べて暮らしたいという方が入るとは、やはり類が友を呼んだとしか思えない。
ところで今回の妄想「熱帯魚を飼育しやすい賃貸住宅」は、この話に起因するものである(長い前置きで恐縮です(^-^; )。
「ワク賃002」の入居者さんは、多目的スペースに水道をご自身で引っ張ってこられていた。
また水槽に空気ポンプを入れるため、電気を多く使うのだが、電気容量を大きくされたり、湿度調整するために換気扇を取り付けたりされた。
そうしてできあがったスペースをご自身の目で見られたオーナーは、熱帯魚を飼育した経験から、ほかにどんな設備があったらいいか、いくつも列挙された。
現在はマンションにお住まいで、熱帯魚を飼育できないでいるため、「欲求」が相当たまっておられるらしく、「熱帯魚を飼育しやすい賃貸マンションをつくって、共用部に自分の水槽を置いて、入居者さんに頼んで世話してもらって、そこで熱帯魚を眺めながらゆっくりしたいなあ」と言われた。
「それは面白い! ぜひ実現させましょうよ!!」
興奮してそう言うと、
「そうですね。そしたらワク賃002の入居者さんにも企画に加わってもらって、まずは一緒に飲むところから始めましょうか?」
とおっしゃられた。
その話を入居者さんにしたら、一も二もなくOKしてくださった。
そうそう、この入居者さんは、ご自身でもカメ、カエル、ヘビを多数飼っておられるが、そもそもはペットショップの店長さんで、熱帯魚飼育にも非常に詳しい方なのである。
というわけで、遠からず「企画会議」を開催する運びとなった。
僕自身は小さな水槽で金魚や赤ひれを飼ったことがあるぐらいだから、熱帯魚マニアの話にはきっとついていけないと思うが、書記係ぐらいなら務められるだろう。
この話が今後どんな展開を見せていくか、すごく楽しみだ。
文責:久保田大介
イラスト:コミック堂