「空き家アトリエプロジェクト」第3弾

元・釣具店だった店舗スペース
使われていない空き家を、DIY可、原状回復義務原則免除という条件でアトリエとしてご提供いただく「空き家アトリエプロジェクト」。その第3弾となる空き家情報をお届けします。
今回の物件は、西武池袋線「東長崎」駅から徒歩5分という立地が非常に魅力的で、オーナーさんから街紹介のコメントを頂戴しているので、そのご紹介から始めたいと思います。
[オーナーさんの街紹介・1]
昭和のはじめから戦前にかけて豊島区西部の要町・長崎・千早地域には絵や彫刻を勉強する学生向けアトリエ村借家群が形成され「池袋モンパルナス」と呼ばれていました。最盛期には100人を超える画家や彫刻家などの芸術家が住んでいました。また、東長崎エリアは手塚治をはじめとする現代漫画家の巨匠たちが住み集い、たくさんの傑作が生まれた伝説のアパート「トキワ荘」があったことで知られ、現代も自分自身の「やりたい!」を叶えるべく、いろいろな方が集まってくる街です。「長崎十字街」には“昭和”を感じる雰囲気を残すお煎餅店や八百屋さんがあり、“令和”にオープンしたオーストラリア人店主のカフェには毎日若い人が集まっています。昭和&平成&令和が混在するカルチャーを受け入れる懐の深い街です。
今回、皆様に“再生”をしていただきたい古家は元・釣具店だった戸建てです。
1967年築で、建物にはかなり傷みがあり、2階には少々雨漏りがある模様。
オーナーさんは解体しようかどうか迷っておられますが、「解体を決断される前にワンチャンス!」ということで、「内装・外装とも自由に改装させていただくこと」、「アトリエ賃貸、小商い賃貸、DIY賃貸など多くのコンセプトを求める方たちに門戸を開いていただくこと」、「原状回復は原則免除いただくこと」を承諾いただき、今回の募集となりました。
特筆すべきはお家賃で、この好立地にもかかわらず破格の48,000円! しかも最低10年は原則同条件で貸してくださるということです(※固定資産税等が大幅に上がった場合は相談)。
「ワクワク賃貸」の読者の方たちには是非一度現地を見ていただきたく、建物の写真を添えてご紹介します。
元・釣具店だった古家の間取り

元・釣具店だった古家の間取り
今回ご紹介する古家は、1階に釣具店だった店舗スペースと台所、トイレがあり、2階に6畳と3畳の和室2間があります。
1・2階あわせて33.04㎡というコンパクトな広さで、このままのかたちで利用するのもいいですが、思い切って全体をセルフリノベーションしてしまうのも面白いと思います。

元・釣具店だった店舗スペース
元・釣具店だった店舗スペースには、床にPタイルが貼られていますが、その下は土間なので、重たい物をそのまま載せてもおそらく大丈夫。プレス機や電気釜などを使いたい方にも向いているかと思いました。
釣具店さんが使っていた棚がそのまま残っていますが、この棚は撤去しても構わないとのこと。
小さなカフェや雑貨店など、ご自身がやりたいことに合わせて、大胆にリメイクされたらいいと思います。

店舗スペースの扉
店舗スペースの入口は4枚のガラス扉になっています。
小商いに向くことはもちろん、アトリエ利用の場合は作品の搬入・搬出がしやすそう。
古いシャッターが残されていて、錆が目立つけれど“現役”選手として使えます。エイジング塗装をする手もあるかな、なんて思いました。

店舗スペース・小上がりの奥は台所
店舗スペースの奥には小上がりがあって、そこは台所になっています。
アトリエ利用の方は水が使いやすいですね。
右奥の階段下スペースもちょっとした収納スペースにできそうですが、扉がなくなっているため、上手に目隠しする必要があります。

キッチンもまだ使えそう
台所にあるキッチンも試してみないとわかりませんが、まだ使えるんじゃないかと思いました。
でも小商いでカフェや飲食店をやりたい方は、撤去してしまって新しいキッチンを設置したほうがいいと思います。

和式を洋式に変更したトイレ
トイレはもともと和式だったところを洋式に変えてあります。
しかし、このトイレは正直言うとかなり狭い。用を足そうとすると、目の前に扉が迫ってくる感じです。
私だったら、この古家にはお風呂がないので、トイレスペースをシャワールームにして、台所のキッチンをコンパクトなものにし、空いたスペースにトイレを新設するかなと考えました。
もちろん、そのままの状態で使っていただくのも“アリ”です。

手すりがついた階段
トイレの向かいに2階へ上がる階段があります。
2階は住まいにするほか、倉庫にする手もありそうですが、その際は両サイドについている手すりが重宝しそう。

2階は6畳と3畳の和室が連なっている
2階は6畳と3畳の和室が連なっています。
昔は2室の間にふすまがあったのだろうと思いますが、今はなくなっているので、もし分けて使うのなら何かしら仕切りをつくる必要あり。
畳もかなり朽ちているから、倉庫にするなら下に何か敷くのでよさそうですが、住まいとして使いたいなら、ここもリフォームをしっかりしたほうがよいと思います。

雨漏りがしている模様
予めお伝えしておきたいのは、階段を上がったところと6畳間の窓側の天井に雨漏り跡があることです。
オーナーさんは元・釣具店に土地を貸しておられ(地主でした)、借地権を買い取った際、この建物がそのまま返されたので、どの程度雨漏りするかはまだ把握されていません。
賃借いただいたのち、もし雨漏りがしても、オーナーさんとしては直すお考えはなく(雨漏りを直すのであれば解体案を優先されます)、そのため家賃を48,000円に設定し、ご自身の費用や工夫で対処くださる方を探すことにされました。
生活の場として見た東長崎
冒頭でオーナーさんに東長崎のエリア紹介をしていただきましたが、“住まい”を兼ねたい方のために生活の便に関するコメントを追加してもらいました。
[オーナーさんの街紹介・2]
西武池袋線「東長崎」駅は徒歩圏内に「ライフ」、「西友」、「サミット」、「TOKYU」などのスーパーがあり、若い方も年配の方にも暮らしやすい街です。
今回の建物にはお風呂がないですが、近くに「福の湯」、「五色湯」、「末広湯」、「妙法湯」という銭湯があり、日替わり銭湯ライフというのも楽しいかも。
「池袋」駅には自転車で10分ほどで行け、都営大江戸線を使えば新宿にも出やすいので、利便性もばっちりです。
都営大江戸線「落合南長崎」駅には歩いて12分ほどで着きます。
東長崎エリアは昭和&平成&令和が混在する“ワクワクを呼び込む街” 。この街の楽しさを皆さんに味わっていただきたいです。
現地説明会を開催します

元・釣具店だった古家の外観
「百聞は一見に如かず」と言いますので、好きなようにアレンジできる自由さ、立地の魅力に関心を持ってくださった方には是非一度ご自身の目で確かめていただきたく、6月に現地説明会を開催しようと思います。
現地説明会への参加をご希望くださる方は、下記のメールバナーを使い、2025年5月30日までにお申し込みください。
日程は、参加希望者さんとオーナーさんの希望を伺って調整します(複数回開催する可能性もあります)。
現地説明会に参加いただいたあと、申込みをしてくださる方がいらっしゃったら、諸条件を話し合い、賃貸借契約を締結します。
入居希望者さんが複数おられた場合は、オーナーさんにご判断いただきます。
なお今回はアトリエだけでなく小商いやDIY賃貸として使いたい方にもご検討いただきたいと思っています。よくわからんが、家賃は48,000円だと言うし、何やら楽しい予感がするぞ、と思われたら、是非現地説明会にご参加ください。
文:久保田大介