「家庭用プラネタリウム」が人気だそうである。
この商品を買って、部屋を真っ暗にして天井に星空を投影すれば、いとも簡単に即席のプラネタリウムが誕生する。
家庭用プラネタリウムの中にはアロマ機能や音楽機能がついていて、星空を眺めてうっとりしながら、さらに癒しを与えてくれるものもある。
365日それぞれの日の星空を投影できるものもあり、それを買えば彼氏が彼女を部屋に呼び「これが君の生まれた日の夜空だ」などとささやくことができたりもする。
ずっと同じ星空だと退屈だろうからと、時折流れ星がさ~っと横切ってくれるものや、防水性能に優れ、お風呂の中をプラネタリウムにしてくれるものなどもある。
まさに至れり尽くせりで、どの商品を選べばよいか悩んでしまう。
しかし、自分の家のリビングルームに「家庭用プラネタリウム」を設置したところを思い浮かべてみようと、天井を見上げてふと気が付いた。
天井には照明器具だの火災警報器だのといった無粋なものがいっぱいついている。
天井近くの壁に設置されているエアコンもけっこう目障りである。
これらが視野に入ると、せっかくのムードを台無しにしてしまうんじゃないだろうか?
購入された方々は、そこには目をつぶって楽しんでおられるのだろうが、僕はわりかし神経質なので、やはり興ざめだなあと思ってしまう。
この問題はどうにか解決できないものだろうか?
問題解決のためにはまず照明器具を天井からどかさないといけない。
はじめ、天井一面を埋め込み式の平らな照明にしてしまったらいいんじゃないかとも考えたが、できるにしてもかなり金額が張りそうだ。
そうなると照明器具は壁につけるか、床置きにするか、ということになる。
でも、それで部屋全体を明るくすることなんてできるのだろうか?
リビングルームはあきらめて寝室をプラネタリウムにするという手もある。
寝室ならば部屋全体を明るくする必要がないからだ。
しかし、せっかくプラネタリウムになる部屋をつくっても、寝室では友だちに披露(自慢)しづらい。
やっぱりリビングルームをプラネタリウム部屋にしてみたい。
火災警報器のほうはどうだろう?
火災警報器は煙を探知するタイプと、熱が高くなったら作動するタイプがあるけれど、それぞれ天井につけないといけないものなのだろうか?
エアコンは天井に埋め込みされているタイプはマイ・プラネタリウムにとっては邪魔なので論外。
壁付けタイプもかさばるから天井を見上げると視野に入ってくる。
となると床置き式の商品を購入するのがよいのだろうか?
でも床置き式はけっこう値が張るのだよな。
プラネタリウムのために少々コストがかかるのはやむを得ないと諦めるのは簡単だけれど、ほかに良い手はないものか。
そのほか、できることならプラネタリウム部屋には一切の光が入らないようにしてみたい。
窓から漏れ入る電灯の光、デジタル機器の明かりなど、余計な光というものはけっこうあるもので、これらをすべて排除し、真っ暗闇の世界のなかで星空にひたってみたい。
そこまでこだわるなら、天井は球形のほうがいいのでは?などと言われてしまいそうである。
確かに球形のほうがいいに決まっているが、実現できたとしてもコストがかかるから、賃貸住宅ではさすがにそこまでは厳しい気がする。
それにフラットだったら、映画を投射するなど応用を効かせることもできるので、今回、球形は考えないことにしよう。
以上をふまえ「ワクワク賃貸研究所」に研究依頼するテーマを要約すると、「何もないフラットな天井をできるだけローコストで実現させてほしい」ということになる。
森下所長ときなこ助手に頑張って研究していただこう。
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さて、1年間お届けしてまいりました本コラムですが、新年からはワクワク賃貸物件の妄想(アイディア)だけでなく、ワクワク賃貸物件探しや賃貸ライフにまつわる情報やノウハウ、豆知識などもご提供していくことにいたしました。
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文責:久保田大介
イラスト:コミック堂