《 コレクティブハウスの暮らし 》Vol.016

コレクティブハウスにおける災害時の対応

投稿日:2022年4月18日 更新日:

災害大国日本で暮らしていくうえで防災対策は欠かすことができません。私の暮らすコレクティブハウス聖蹟は賃貸ですが、定期的に防災訓練を実施しています。
本年(2022年)3月16日も東北地方を震源とする地震がありましたね(被害に遭われた皆様には一日も早い回復をお祈りいたしております)。コレクティブハウス聖蹟でも、それなりに揺れが続き、その後停電しました。
私は就寝していたこともあり、停電しているとわかるまでに数分かかってしまいました。いつもスマホから電気を点灯させているので、いろいろいじってみたけど全然点灯しない。なんでなんだと焦っていたら、Wi-Fiがつながっていないことに気づき、そういえばなんだか全体的に暗いなぁと感じて停電していることを認識しました。
突然の出来事への対応はどうしても遅れがちです。
停電後、しばらくすると廊下に居住者がちらほら出てきたので、私もスマホのライトをつけて廊下に出ました。懐中電灯を持った居住者SさんとYさんが確認作業を始めていて、停電しているが非常灯はついていること、ご近所一体も暗いためエリア全体が停電しているのだろうということがわかりました。

次に災害時用のラジオ(電池式)を出して情報を得ようと思ったのですが、電池が切れてしまっていました。停電がいつ解消されるかわからない中、スマホの充電は極力保持したいので、スマホのライト利用はやめておくべきか・・・そんなことを考えながら何とか電池を探し出し、ラジオから情報を得ることができました。そうこうしている間に、居住者間での情報を共有が始まり、私のところにはSさんが伝えに来てくれました。停電はすぐには解消しそうにないため、とりあえず寝てしまおうとSさんと話をして、寝ることにしました。その後、2時間程度で停電は復旧しましたし、コレクティブハウスの建物にも居住者にも特段異常がなく、今回の災害は過ぎていきました。
突然の停電は不安でしたが、コレクティブハウスでは居住者同士が親しいので、すぐに連携することができます。普通の賃貸で一人暮らしだったら、おろおろするばかりなのではないかと思います。

ところで、コレクティブハウス聖蹟では、災害用品は個々に備えることになっていますが、居住者組合としても備蓄品を少し用意しています。人数分の災害用の防災食や水、簡易トイレなどです。

補助的な意味合いでの備蓄品のため、用意している個数は最小限。最近では停電に備えてバッテリーも購入をしました。
しかし買っただけでまだ箱から出していなかったので、この機会にさっそく開封しました。

バッテリーのほか、太陽光からの充電できるソーラーパネルも購入をしたので、さっそく屋上でスマホの充電もしました。どれくらいの時間で充電ができるのか、どれくらいで使い切ってしまうのか、使ってみなければわからないため、すぐに使ってみようと居住者から声が上がったのです。
これらの備蓄品をどのように整えるのか、コレクティブハウスとして何を備えておくことがいいのかなどをマネジメントするために、数年前から防災グループをつくって活動をしています。
ハウス全体で意識することで、自ずと個人としての防災意識も高まっている気がしています。私もその一人で、コレクティブハウスで暮らし始めてから電池式のラジオやバッテリーを購入しました。
「コレクティブハウスという仕組みがあるから災害が起きても大丈夫と思うのでなく、個人としてもきちんと備えていきましょう」と私たちは話し合い、この意識を共有しています。
自分一人だけではできなくとも、協力し合えば実現することはたくさんあると思います。その協力体制を日常から取れる仕組みがコレクティブという考え方なのだと思います。
コレクティブハウスで暮らしていない方々にも防災意識を高めることとあわせて、日頃から誰と有事に協力して乗り切るのか、仕組みから考えてみていただけたらと思います。

文:久保有美

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久保 有美

久保 有美

不動産フリーエージェント。京都出身(京都いうても西の方) 好きな数字:3&9 宅地建物取引士 社会福祉士 賃貸不動産経営管理士 大学でコレクティブハウスという暮らし方に出会う。京都でコレクティブをやりたいと言い続け、建築会社・不動産コンサルティング会社を経て2021年に独立。 新たな暮らし方の提案、福祉と不動産の連携を目指す。

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