《 ワクワク賃貸妄想中 》Vol.032

賃貸住宅で気軽にトライ! しっかりと仕事をしながら趣味を満喫できるリゾート地でのリモートワーク・ライフ

投稿日:2022年4月11日 更新日:

リモートワーク・ライフを送る方との初めての出会い

今からもう30年以上前の話になるが、当時、僕は東急リバブル・所沢営業所で売買仲介の仕事をしていて、あるご夫婦から埼玉県内の戸建て住宅を売ってほしいとの依頼を受けた。売却理由を訊ねると「栃木県・那須塩原の温泉地に引っ越したい」と教えてくださったが、単なる移住ではなく、仕事は都内で続けるとおっしゃるので驚いた。
那須塩原から都内に通勤? 当時、すでに東北新幹線は開業していて、確かに2時間もかければ都内のオフィスに通えるが、毎日のこととなると大変すぎやしないだろうか? 率直にそう感想を述べると、
「私たち夫婦は雑誌の編集会社を経営しているのですが、今でも都内のオフィスに出勤するのは週に1日だけなんです。仕事は電話とFAXがあればできるので、出勤日以外は家で仕事をしています。でも、それなら埼玉でなくてもいいと思いませんか? 私たちはふたりとも温泉が大好きで、那須塩原にもしょっちゅう行っているから、いっそのことあっちで暮らそうという話になったんですよ」
とのこと。なるほど合理的だし、何よりとても楽しそうだ。
こういう話は昔も今も大好きなので、いつにも増して売却営業に熱が入り、早々に成約させることができた。那須塩原のほうは温泉の出る別荘地を購入し、そこで家を新築されたと記憶している。
思えばこれがリモートワーク・ライフを送る方との初めての出会いだった。
当時はかなり斬新な暮らし方だったと思うが、あれから30数年が経ち、進歩したIT技術を駆使し、こうした生活を送る人が現れてきた。そして2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本でも在宅勤務制度を採用する会社が一挙に増え、リモートワーク・ライフはすっかり身近なものとなった。

趣味と仕事を両立できるリモートワーク・ライフ

先月(2022年3月)、「ワクワク賃貸物件集」で「海を眺めて暮らせる部屋で送る新・リモートワーク・ライフ~ダイビングや釣り、ゴルフが楽しめ、温泉、サウナ、プールも付いている城ヶ崎海岸の賃貸マンション(=ワク賃043)」という物件を紹介した。その前に「海の見えるアトリエ」というコピーで「アトリエ賃貸推進プロジェクト」にも掲載していたが、これらの記事を読み、これまで(2022年4月9日時点)4人の方から「検討したい」「内見したい」との連絡を頂戴した。そのうちの一人で服飾デザイナーをしているという女性に「写真撮影のため、オーナーさんと一緒に現地に行くので、よろしければご一緒しませんか?」とお誘いしたら、「是非に!」と言われ、直接物件をご案内した。
その道すがら、「どうやってこの物件を探したのですか?」と訊ねたら、「温泉が好きなので、“温泉”・“賃貸”というキーワードでネット検索をしていたら、ワクワク賃貸の記事に行き着きました」と答えてくださった。それを聞いて、30数年前のご夫婦の話を思い出し、あのとき突飛に思えたことが、こんなに普通のことになったのだなあとしみじみ思った。
この女性は服飾デザイン以外にもいくつか仕事を掛け持ちしていて、その調整のためすぐに結論は出せなかったけれど、「ワク賃043」は最寄りの伊豆急行線「城ヶ崎海岸」駅からも新幹線を使えば2時間足らずで「東京」駅や「品川」駅に着く。週1回だとか月1回だとかの出勤で済む仕事だったら、十分検討の余地がある話だ。

「ワク賃043」は温泉以外にも、磯釣りが楽しめる海岸まで歩いて6分ほどで着く。ダイビングの人気スポット「伊豆海洋公園」までも徒歩21分という近さだ(車や自転車ならもちろんもっと早い)。
この物件はマンション内に温泉の出る大浴場やサウナ、プール、防音室などもあるからちょっと特別だと思うが、ほかのマンションやアパートを借りても、釣りやダイビングを趣味とする人は余裕で仕事と両立できる。そんな時代になったのだ。

リゾート地でリモートワーク・ライフを送るときの不安点

逆に、リモートワークライフを送っている人たちが何故、城ヶ崎海岸のようなリゾート地を選ばないのだろう?と考えてみた。もちろん不安な点はいくつかある。
まず、都心に比べれば買い物は不便なことが多い。
「ワク賃043」を例にとると、一番近いスーパー「うわみつじ」まで歩いて22分、東急ストアまでは23分だ。一番近いコンビニはセブンイレブンだが、歩けば29分もかかる。ちっともコンビニエンスではない。
もちろん車や電動自転車などを使えば楽だが、車の免許を持っていない人(あるいは車を持っていない人)は大勢いるし、自転車だって雨の日は大変だ。
まあ、しかし、晴れた日にまとめて買い物をし、雨の日は家でのんびり過ごす「晴“購”雨読」の生活を送ると考えればいいのかもしれない。ネットスーパーを使うという解決策もあるので、これは何とかなりそうだ。
次に浮かんだ不安点は電車の本数の少なさだ。「城ヶ崎海岸」駅を例にとれば、朝晩は1時間に2~3本という時間帯もあるが、ほとんどは1時間に1本だ。
週に1度の出勤時に1本電車を逃すと遅刻してしまう公算大。これはリスクと言えばリスクだ。でもまあ、遅刻しなければいいだけの話だけれど。
知っている人がいない町で暮らすというのも不安と言えば不安だろう。町そのものを全く知らないというのも不安に違いない。だけど、地方から都心に出て暮らし始める人も、それは同じこと。むしろ、釣り仲間、ダイビング仲間など、共通の趣味を持つ友人を多く持てるチャンスはいっぱいあるから、あっという間にそんな不安は消えていくんじゃないだろうか?
それ以前に、同じ趣味を持つ友人と一緒にリモートワーク・ライフを始めるという手もある。たとえば温泉好きの友人と一緒に温泉地へ引っ越し、週末はあちらこちらの温泉をはしごするなんてどうだろう? そんな生活を想像するだけでワクワクしてくる。

気軽に新しい暮らし方にトライできるのが賃貸の良さ

賃貸不動産に関わる仕事をしていて僕は常々思っているのだが、賃貸の良さは「気軽に新しい暮らし方にトライできること」だと思う。住まいを購入するとなると、一度買ったら売るのは大変で、税金や手数料もいっぱいかかってしまうから、よくよく考えて実行に移す必要がある。
しかし賃貸は「これは違うな」と思ったら気楽にやめられる。たとえば「ワク賃043」の場合、家賃は月額75,000円(ほかに共益費5,000円。駐車場は1台なら無料)で、敷金は1ヵ月、礼金はゼロなので、仲介手数料や損害保険、保証会社の保証料などを支払っても初期費用は220,500円で済む。もちろん小さな金額ではないけれど、すぐやめたとしても深傷(ふかで)を負ったとまでは言えないだろう。
お子さんがいるご家庭などは、学校のことがあるから簡単に判断できないだろうが、単身者なら自分の気持ちひとつですぐに動ける。
憧れていること、やってみたいことは、何だって一度やってみたほうがいい。やってみて「ああ、案外たいしたことがなかったな」と思ったとしても、それならそれで次の世界に進んで行ける。
田口久人さんの『あっという間の人生』という詩に次のようなことばがある。

行きたい所があるなら行く
会いたい人がいるなら会う
やりたいことがあるなら全てやる
人生は自分が思うよりも短く
いつ終わるかわからないから

趣味と仕事を両立させるリモートワーク・ライフに憧れている人にとって、今はそれを始める絶好のチャンスではなかろうか。

文:久保田大介

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久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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