「ワクワク賃貸®」では、「こんな賃貸物件があったら楽しいな。住んでみたいな」という皆様からのアイディアを常時募集しています。
以前は私のアイディアを披露していて、コラム配信後、専門家やメーカーにリサーチし、その結果を「ワクワク賃貸研究所」でレポートしておりました。
今年に入ってから、私のアイディアを披露するのはやめにして(注:アイディアが尽きたわけではありません)、読者の方たちがアイディアをお寄せくださったら、この場でご紹介し、そのなかのいくつかを「ワクワク賃貸研究所」で研究させていただくスタイルに改めました。
今回はこれまでご投稿いただいたアイディアの中から選りすぐった3案をご紹介します。
はじめにご紹介するのは「室内に家庭菜園のある賃貸住宅」です。
こちらはPさんから頂戴したアイディアで、Pさんは次のようなメッセージを添えてご投稿くださいました。
《Pさんからのメッセージ》
床にある程度広いくぼみがあり、土を入れて排水もできて、普通にトマトやイチゴなどを育てられる部屋があったらいいなと思います。
畑をしない人は子ども用の砂場にできたり、だいぶ用途は変わってしまいますが、排水機能がしっかりしていれば水遊びもできたりとか・・・。
掃除が大変そうですが(笑)。
いやぁ、実に楽しいアイディアです。
こういうのを待っていました!
とは言うものの、あまりに奇抜なアイディアだったので
「庭に家庭菜園をつくるのではなくて、建物内部に菜園部屋をつくるとおっしゃっているのでしょうか?」
とPさんにメールで質問をしましたら、
「畑をつくれる部屋はまさに室内です。床の一部が畑のようなイメージです。虫が湧いたらちょっと嫌ですが(笑)。ぜひ研究してみていただきたいです」
とすぐにお返事をくださいました。
Pさんのおっしゃる通り、砂ぼこり等で掃除も大変そうだし、虫も湧きそうですが、それを克服する方法があるかもしれません。
こちらの研究は前向きに検討させていただきたいと思います。
続いてTさんからいただいたアイディア、「西部劇に出てくるポーチのある家」をご紹介します。
タイトルを読んだだけだとイメージが湧きづらいと思うので、こちらもTさんからのメッセージをご一読ください。
《Tさんからのメッセージ》
60年前米国留学中見た光景が忘れられず一筆思い出を述べさせていただきます。
米国中西部の小さな大学町で見た光景で、アメリカ映画などにもしばしば登場しますが、住宅の道路に面した側はほとんどバルコニーになっています。
そこで揺り椅子に腰かけた老婦人(老爺はほとんど見たことがない)が何するでもなくギッタンバッコンと揺り椅子をのんびり漕いでいる風景をあちこちで見かけました。
住宅事情(一室の面積が狭い)によるものか、それともせっかちな国民性によるものかわかりませんが、残念ながら日本で揺り椅子が使われているのを見たことがありません。そういう風景が賃貸住宅で見られたらいいですね。
Tさんは、揺り椅子に重きを置かれているのかもしれませんが、私は西部劇に出てくる街路に並ぶ、ウッドデッキのポーチと揺り椅子がセットだと受け止めました。
店舗デザインでそれに近いことをやっているところがありそうですが、街区の開発で、通りの両並びにウッドデッキのポーチが並んでいると壮観な感じがします。
また、Tさんのアイディアを伺っていて、縁台や縁側がずらっと並んでいる、日本っぽい通りを再現するのも面白そうだなあと思いました。
揺り椅子に座って、編み物したり、本を読んだり、ギターを弾いたりしているのも素敵だし、縁台将棋をしていたりするのも素敵です。
こうしたゆとりを演出できる装置になりそうですね。
最後にご紹介するのは、Uさんが寄せてくださったアイディア、「宇宙船内の個室のような部屋」です。
これもタイトルだけではわかりづらいと思うので、Uさんのメッセージをご紹介します。
《Uさんからのメッセージ》
宇宙船の住処みたいなコンセプトの賃貸住宅があったら面白いと思います。
タイニーハウスの一種とも言えますが、コンパクトであるというだけでなく、機能面でSFっぽいのがほしいです。
炊事、洗濯、空調、通信、TVやオーディオなどすべて機能的に見直してハウスオートメーションしてほしい。
「部屋そのものがロボットになっている」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。
スマートハウスとかインテリジェントハウスとか言われているものの延長線上にあるような感じですが、内装やデザインは宇宙船っぽく、一体感がほしいです。
Uさんは「黒川紀章氏が設計された中銀カプセルタワービルはイメージにだいぶ近い」ということもコメントに添えてくださいました。
私の頭の中にあるのは、ガンダムのコックピット内部で暮らしているようなイメージです。
スペースはおそらく3畳から4畳半程度。
壁の周囲にさまざまな設備が装着されていて、体を全く動かさなくても生活できてしまう。
若い方にはファッション的に受け入れられそうですが、お体の自由があまり効かない方や、ご高齢の方にも機能面で役立ちそう。
これはできたら確かに面白いですし、何だか、遠からず実現するアイディアのような気もします。
すでに研究開発している企業があるかもしれませんね。
さて、今回紹介させていただいたアイディアは、それぞれ調査・研究しておりますが、まずは1件レポートにまとめ、5月中に「ワクワク賃貸研究所」にて発表したいと考えています。
過去、このウェブマガジンでは、「TRXがある部屋があったら住んでみたい」という投稿をいただき、それを調査・研究した結果を「ワクワク賃貸研究所」で報告したことがあります(ご関心のある方はコチラをご覧ください)。
この事例のように真剣にリサーチしていきたいと思いますので、面白いワクワク賃貸物件のアイディアを思いつかれたら、「お問合せ」ページを利用して、気軽にご投稿ください。
個人情報はしっかりと保護させていただきますし、「実現させたから賃借してください!」と迫るようなおかしなアプローチはいたしませんので、ご安心ください。
また、このウェブマガジンで紹介したアイディアや、リサーチ結果を見て、「この物件はつくってみたい!」と思われたオーナーや不動産会社の方がいらしたら、自由にご活用いただけたらと考えております。
日本中にワクワク楽しい賃貸住宅ができていくことが「ワクワク賃貸®」を配信している目的ですので、アイディアを実現してくださったらとても嬉しいです。
そして実現の折にはぜひご一報ください。
すぐに取材させていただき、読者の皆様にウェブマガジンを通じてご報告いたします。
「ワクワク」「楽しい」という感性は百人百様、さまざまなものがあると思います。
今回ご紹介した3つのアイディアも、私の発想にはまるでなかったもので、ただ面白いと思っただけでなく、大いに刺激を与えていただけました。
へたに建築の知識があったりすると、自由な発想を妨げてしまって、びっくりするようなアイディアが生まれてこなくなるのでしょう。
「こんなこと実現不可能だろうな」などとつまらぬことは考えず、気楽に“思い付き”を聴かせていただけたらありがたいです。
何より、そんなアイディア、妄想を聴いているだけで楽しい気分になります。
皆さまの投稿を心よりお待ちしています!
【お詫び】2019年5月21日
2019年4月25日に配信した本コラムにおいて、「今回紹介させていただいたアイディアは、それぞれ調査・研究しておりますが、
まずは1件レポートにまとめ、5月中に『ワクワク賃貸研究所』にて発表したいと考えています」とお伝えしましたが、
筆者(森下智樹氏)の都合により、しばらく原稿執筆にとりかかれない状況となってしまいました。
お待ちくださっていた方には大変申し訳ありませんが、原稿が完成し次第、配信いたしますので、
しばしお時間を頂戴いたしたく、お願いいたします。
なお、執筆の見通しが立たない場合は、別のコーナーで調査結果をご報告したいと考えております。
謹んでお詫び申し上げます。
執筆:久保田大介
イラスト:コミック堂