《 ワクワク賃貸物件集 》Vol.049

アクアリストの大家さんが熱帯魚、レプタイルズ等の飼育のしやすさを追求し建築したテラスハウス賃貸

投稿日:2023年2月6日 更新日:

熱帯魚やレプタイルズ(爬虫類)を飼育できる賃貸住宅を探しているのですが、ご協力いただけないでしょうか?

アクアリストの皆さんは、不動産屋さんを訪れて、そうリクエストしたことがありますか?
リクエストした経験のある人は、残念な過去を思い出し、きっと暗い表情をされているのではないかと思います。
熱帯魚は水槽の水がこぼれ階下に漏水させたら一大事だし、そもそも床が水槽の重みに耐えられるかどうかわからなくて不安。
レプタイルズは、たとえばヘビなんかは逃げてしまったら大騒動。ワニガメなど危険動物に指定されているものもいるし、湿気で部屋にカビが生えてきそうだし、君子危うきに近寄らず、さっさとお引き取りいただくのが一番。
普通の不動産屋さんや大家さんはこう考えます。だから自分だけのアクアリウム、ビバリウムをつくりたいと思ったら、物件を所有する(買う)ほかない。そう諦められていた時代が長く続きました。
ところが今回、ご紹介する「アクアハウス」は違います。
ただ飼育を許可するだけでなく、飼育しやすい環境を積極的につくってご提供しようという物件なのです。
「ワクワク賃貸」を読んでくださるアクアリストの方たちは「アクアハウス・プロジェクト」という連載もきっとご存知だと思います。
大家のMASAさんはご自身が熱烈なアクアリストで、水槽をたくさん並べ、熱帯魚やレプタイルズを自由に飼っていただける賃貸住宅=アクアハウスを何棟もつくってこられました。
その多くは築古戸建てをリノベーションしたものでしたが、2021年には新築を2棟(3室)建てられました。
リノベーションの場合、アクアスペースをつくるにしても障害がいっぱいあって、なかなか思う通りにはいきません。しかし新築ならば、ゼロから設計できるので、予算の許す限り理想のアクアスペースをつくり出すことができます。
大家さんは思いのたけをぶつけるかのごとく、新築プロジェクトに取り組み、高レベルのアクアハウスを建築することができました。
今回はそのうちの1棟、テラスハウス(連棟式住宅)としてつくられた「ワク賃049」をご紹介したいと思います。

飼育のしやすさを追求したアクアスペース

はじめに大家さんが情熱を込めてつくり出したアクアスペースから紹介してまいりましょう。

1 水槽の搬入・搬出がしやすい前面道路と玄関扉

自分だけのアクアリウム、ビバリウムをつくりたい方の多くは、大きな水槽を入れたいのではないかと思います。しかしアクアスペースが広いというだけではダメで、搬入・搬出のしやすさが重要となります。
「ワク賃049」は大きな水槽の搬入・搬出にかなりの自信を持っています。
まず前面道路は行き止まりになっているので車が通ることがまずありません。つまり道路自体が空き地のようなものだから、玄関から水槽を落ち着いてまっすぐ出し入れできます。
また搬入・搬出をするとき、玄関扉が普通の開き戸だとけっこう邪魔になりますが、「ワク賃049」の玄関扉は引き戸にしてあるので、全く障害になりません。
大きな水槽だけでなく、新しいペットを迎え入れるときも、ストレスが少なくてすみそうです◎

2 水をこぼしても大丈夫な土間

アクアスペースは1階に設けられていますが、その床は土間仕上げになっています。
写真は床を水洗いしたあとのもの。キッチンの手前が濡れているのがわかるかと思いますが、こんなふうに水を流しても全く問題ありません。
土間を打つとき水平にすることにこだわったので、水槽が傾くことはないですし、自動車を停められるほどの強度だから、水をいっぱい入れた大型水槽を置いても大丈夫。
これはポイントが高いですね◎

3 お湯が出るシンク

写真左:A号室のシンク 右:B号室の洗い場

熱帯魚に冷たい水はご法度ですが、水換えのとき、やわらかい水温の水を与えてやるのはひと苦労。その点、「ワク賃049」では水槽の水換えが楽にできるよう、アクアスペースにお湯も出る洗い場を設けているので、温水を魚に与えてあげることができます。
A号室は室内にシンクを設けています。B号室はアクアスペースがやや狭いので、勝手口を設け、そこから出てすぐの場所に洗い場が設置されています(外の水道でもお湯は出ます)。

4 水の入れ換えを楽にする排水口

土間の中央付近には排水口を設けていて、下水道に直接水を流し込むことができます。
水槽の水を垂れ流し式にすると、水換えがずいぶん楽にできるそうですが、アクアスペースに排水口があればそれもやりやすいはず。
誤って水をこぼしてしまっても、ここから流れていきますから安心ですね◎

5 エサ保管専用の冷蔵庫置場

ペットのエサを保管(保冷)するための冷蔵庫を備える人が多いようですが、アクアスペースに置けたら便利。
「ワク賃049」ではこの点を考慮し、冷蔵庫置き場を設けてあります。
B号室のほうは階段下のスペースを利用しているため、背の高いものは置けないことだけご留意ください(A号室は背の高い冷蔵庫を置けます)。

6 水はねしても大丈夫なコンセント

アクアスペースは水をこぼしても平気なように床を土間にしてありますが、その延長で、コンセントも水はねしても大丈夫なよう、床面から少し高い位置についています。また全部のコンセントにカバーとアース線をつけてあります。
さらにアクアスペースのコンセントは電気経路を分けているので、電気の使いすぎで小ブレーカーが落ちてしまっても、全てがいっぺんに落ちないように工夫しています。
生き物を飼育するスペースなので、万一の場合でも被害は最小限に留めていただきたいです。

7 照明の角度や明るさを調整できるライティングレール

飼育する生き物によって、照明を当ててあげるか、当てないようにするか違いますし、必要とする明るさも異なります。そのためアクアスペースの照明はライティングレールを用いています。
ライティングレールは1本ではなく縦横に複数設けていて、照明の数だけでなく位置もフレキシブルに対応できるよう工夫されています。
生き物はとてもデリケートですから、こういう配慮はありがたいですよね◎

8 高い位置に設けた窓

通常、窓は腰の高さぐらいに設置されるものですが、アクアスペースの窓は天井近くに小さなものをつけるにとどめられています。
これは水槽をいくつも積み重ねても大丈夫なように、という考えによるものです。腰の高さにあると直射日光が水槽に当たってしまうので、それを防ぐこともできます。
ちなみに住宅には採光を確保するよう義務付けられているので、窓を全くなくしてしまうことはできませんから、これがアクアハウスとしては最善の方法なのだと思います。

9 地震でライフラインが損傷しても安心なプロパンガス

こちらは「ワク賃049」の外観写真ですが、A号室とB号室の中央にシャッター付きの物置のようなものがあります。これはプロパンガスのゲージです。
「ワク賃049」では、地震で道路のガス管が損壊し、お湯が使えなくなることを防ぐため、あえてプロパンガスを選択しています。月々のガス代は少し高くなるけれど、冷たい水で魚の体調を崩してしまわぬほうが大事だという考えです。

以上がアクアスペースのこだわりポイントです。
普通の方にとっては実に暮らしにくいスペースですが(シンクは邪魔だし、プロパンガスを嫌う人も多いし、窓ももっと大きなものを望みますよね)、アクアリストにとっては、どれも貴重なものだという考えで大家さんは設計されました。
アクアリスト以外の方が住むことを想定されていないのですから、すごい勇気の要る設計だったと思います。

続いて、アクアスペース以外のスペース(=居住スペース)をご案内します。
「ワク賃049」は2室から成るテラスハウスですが、A号室とB号室とでは広さも間取りも全く異なります。
まずはA号室からご紹介しましょう。

A号室は専有面積35.46㎡の1LDKタイプです。
大半をアクアスペースに費やしているので、居住スペースは広いとは言えず、単身者向けかなと思います。
キッチンは1階のアクアスペースに設けられていて、LDKと兼ねていただくことを想定しています。食事をしたり、お酒を飲んだりしてくつろぎながら、ペットたちを眺めていただくというコンセプトです。
冷蔵庫置場は居住者用とペットのエサ用の2つを並べて置けるようになっています。

2階は寝室です。二面採光なので、明るい印象です。パウダールームとバスルームが隣接し、廊下をはさんでトイレがあります。
バスルームには追い焚き機能と浴室乾燥機がついています。パウダールームには下着やタオルをしまっておける棚と、室内物干しがあります。また、廊下の奥には収納棚があります。
エアコンは1階、2階に1台ずつ設置されています。

B号室は47.33㎡の2K。
3階建て(トリプレット)となっていて、こちらはご夫婦やカップル、またはマニア同志のルームシェアに向いているように思います。
1階のアクアスペースには勝手口があり、扉を開けるとお湯が出る洗い場があります。
2階はキッチン、シャワートイレ、洗濯機置場、冷蔵庫置場となっています。食事は1階のアクアスペースか3階の洋室でとっていただくことを想定しています。
3階は8.45畳大の洋室です。部屋の3面に窓があり、とても明るいし、風が吹き抜けて気持ちがいい◎
クローゼットは2箇所あり、隣接したパウダールームの奥がバスルーム(追焚き機能付き)になっています。
B号室にはL字型のバルコニーがあり、洗濯物はここで干せます。

「ワク賃049」の最寄り駅は東武東上線「上福岡」駅で、徒歩11分という距離です。
でも都心に通勤される方にはお隣の「ふじみ野」駅の利用がオススメ。「ふじみ野」駅までは歩いて18分ほどかかりますが、自転車を利用すればそう遠くはありません。「ふじみ野」駅は急行停車駅なので、そこから急行に乗ると「池袋」駅まで約26分で行けます。
「上福岡」駅から乗る場合、「ふじみ野」駅で急行待合せをするため、ここで乗り降りしたほうがストレスは少ないはず。

物件の周辺は住宅街ですが、「上福岡」駅前にはヤオコー、西友、東武ストアなどスーパーが多数あり、「ふじみ野」駅に行く途中にもコモディイイダやヤオコーなどのスーパーがあるので、買い物は非常に便利。最近は大型ショッピングモールのイオンタウンもでき、さらに便利になりました。
「ワク賃049」に駐車場はありませんが、近隣に駐車場はかなりたくさんあり、駐車場代の相場は8,000円前後です。

水槽をたくさん並べて、熱帯魚やレプタイルズを思いっきり飼育できる「ワク賃049」はいかがでしたでしょうか?
大家さんはこれまで5棟(6室)のアクアハウスをつくられていますが、そのうち1棟はモデルハウスとして使っておられます。
そこでは大家さんがたくさんの熱帯魚等を実際に飼育しておられ、その模様を「アクアハウスチャンネル」というYouTubeチャンネルで伝えています。 他のアクアハウスの入居者さんとも深く交流されていて、その様子もアクアハウスチャンネルで垣間見ることができます。
入居者さん同士は直にも交流していて、ここで醸成されているアクアリスト同士のコミュニティーが実は最大のセールスポイントだったりします。 2023年2月時点での情報ですが、入居者さんのひとりが自宅を新築されることになり、遠からずアクアハウスを退去されるらしいです。 アクアハウスは一般募集をしていないので、ここで暮らしてみたいと思われた方は、是非空き待ち登録をしておいてください。

物件情報

  • 物件コード:ワク賃049
  • 住   所:埼玉県ふじみ野市福岡中央二丁目
  • 構   造:木造3階建
  • 築 年 月:2021年3月
  • 専有面積・間取り:A号室 35.46㎡・1LDK
             B号室 47.33㎡・2K
  • 共用部分設備:メールボックス、駐輪スペース、TVアンテナ(地デジ・BS)、プロパンガス
  • 専有部設備:アクアスペース、TVモニタホン、バスルーム(追い焚き機能付き・A号室のみ浴室乾燥機付き)、キッチン(W1650・ガスコンロ2口・グリル付き)、独立洗面台(W600・シャワー水栓付き)、シャワートイレ、室内洗濯機置き場、エアコン2台、フローリング(アクアスペースは土間)、クローゼット、室内照明器具(アクアスペースはライティングレール)、バルコニー(B号室のみ)、Wロック、インターネット対応

募集条件

  • 賃料:A号室 前回募集時は8万円台前半でした
       B号室 前回募集時は9万円台半ばでした
  • 共益費:なし
  • 敷金:賃料の2カ月分
  • 礼金:賃料の1カ月分
  • 契約期間:普通借家契約2年
  • 更新料:新賃料1カ月分
  • 保証会社・火災保険:加入必須
  • 解約予告:1ヵ月前
  • ペット飼育: 熱帯魚、レプタイルズのほか、イヌ、ネコ等の飼育も可
  • 楽器演奏:不可
  • 「空室が出たら連絡がほしい!」という方は
    「お問合せ」ページを利用してご登録ください。
    空室が出た場合と、類似のワクワク賃貸®物件ができたときのみ、ご連絡いたします。

文:久保田大介

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久保田 大介

『ワクワク賃貸®』編集長。有限会社PM工房社・代表取締役。 個性的なコンセプトを持った賃貸物件の新築やリノベーションのコンサルティングを柱に事業を展開している。 2018年1月より本ウェブマガジンの発行を開始。 夢はオーナーさん、入居者さん、管理会社のスタッフさんたちがしあわせな気持ちで関わっていけるコンセプト賃貸を日本中にたくさん誕生させていくこと。

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